ドイツのスポーツ用品大手アディダスや米化粧品大手エスティローダーなどさまざまな企業は、人種差別に立ち向かい多様性を促すよう迫る従業員の新たな圧力に直面している。5月に起きた黒人のジョージ・フロイドさん死亡事件を巡る社会運動が職場にも深く広がっている。この事件を受けアディダスは他の多くの企業と同様、ソーシャルメディアを通じ人種差別反対を主張した。ただ同社の米国オフィスの一部黒人従業員は、アディダスの企業文化は公平とは程遠いと言っている。ここ数日、化粧品販売会社やメディアなど他の企業でも同様の意見が相次いで表明されている。アディダスのオレゴン州ポートランドの事業所でフットウエアのデザイナーとして働く社歴7年のアリック・アーモン氏は8日のインタビューで、同社が黒人を雇っているのは「黒人の消費者とつながりを持つ」助けになるためだと述べた。だが自身の経験では、黒人がアディダスで昇進するのは難しく、必ずしもリーダーシップが求められているのではないことがはっきりしたという。