【ワシントン】ドナルド・トランプ米政権は新型コロナウイルスによる公衆衛生上の緊急事態を利用し、国境で移民による保護手続きの申請を認めなかったことを巡り、初の提訴に直面している。  トランプ大統領が公衆衛生上の緊急事態を宣言した3月以降、移民当局は国境にいるほぼ全ての移民について、保護申請の機会を与えることなく退去させた。米政府が発動したのは1944年制定の公衆衛生法に基づく宣言で、これにより緊急事態下で感染を広げる恐れのある非市民を国外退去させる権限が政府に付与される。政府は5月、この規定を無期限に延長した。