ドナルド・トランプ米政権は新型コロナウイルスによる公衆衛生上の緊急事態を利用し、国境で移民による保護手続きの申請を認めなかったことを巡り、初の提訴に直面している。トランプ大統領が公衆衛生上の緊急事態を宣言した3月以降、移民当局は国境にいるほぼ全ての移民について、保護申請の機会を与えることなく退去させた。米政府が発動したのは1944年制定の公衆衛生法に基づく宣言で、これにより緊急事態下で感染を広げる恐れのある非市民を国外退去させる権限が政府に付与される。政府は5月、この規定を無期限に延長した。訴訟を起こしたのは米国自由人権協会(ACLU)で、ホンジュラス出身の16歳の少年を代表している。少年は6月上旬、米国に居住している父親と住むため国境を越えて入国。母国での「深刻な虐待」を逃れてきたとし、法廷での手続きのため待機していた。
コロナ下の移民国外退去、トランプ政権が訴訟に直面
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