中国経済が数十年ぶりのマイナス成長に陥る中、国内企業はデフォルト(債務不履行)を回避、または最小限に抑え込んでいる。ウインドによると、中国国内の社債市場は額面で合計およそ5兆1000億ドル(約550兆円)相当と、世界有数の規模だ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて、足元でデフォルトが発生しているものの、米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスのように、有力企業が破たんするような事態には陥っていない。背景には、中国企業の一部が、返済猶予や早期償還を求める権利の放棄、新たな長期債と交換を債券保有者に要請しているという事情がある。繊維大手の山東如意科技集団も、こうした措置を講じた借り手の1社だ。同社は米化学繊維のライクラや英ファッションブランドのアクアスキュータムなどの株式を取得している。