第2回公判は5月19日に開かれ、立道被告は「違法報酬を支払ったのは事実」と起訴内容を認めた。そして弁護側は「有罪は争わない」とした上で「被告は報酬金額の決定に関与しておらず、幇助犯にとどまる」と主張した。

 被告人質問では日当について問われ「他の選挙でも同じ程度が支払われたと聞いたことがある。法定額だったら集まらない」と違法性の認識があったことを認めた。その上で、報酬額を知った経緯は「記憶が断片的で覚えていない」と述べた。

 同26日の第3回公判で、検察側は被告人質問で、捜査段階で「克行氏が立件されれば連座制で案里氏が失職すると思い、克行氏が関与していたことを言わなかった」という趣旨の供述があると指摘。内容に誤りがないか問われ「覚えていない」と回答した。

表裏一体の「買収」と「被買収」

 公判の様子から、立道被告や弁護人は、河井夫妻を必死に守ろうとしているようにみえる。しかし、その夫妻は今後、どうなるのだろうか。

 実は、前述の立道被告の判決に関係なく、国会議員は収賄や公選法違反、政治資金規正法違反での有罪や、それ以外の罪で実刑が確定した場合は被選挙権がなくなり、失職する。

 全国紙社会部デスクによると、検察側は17日の国会閉会直後に公選法違反(買収)容疑で夫妻を立件する方針を固め、広島県議や市議、地元自治体の首長らに対する聴取など捜査は大詰めを迎えている。

 また、克行氏の関係先からは現金配布先とみられるリストを押収。現金の配布は主に克行氏が行ったとされるが、一部は案里氏本人も渡していたとされ、夫妻は100人前後に総額二千数百万円を配った疑いがあるという。

 公判で検察側が指摘したが、案里氏の選挙活動は克行氏が取り仕切っており、現金は配布先の影響力によって5万~数十万円が配られていた。

 リストに掲載された多くが現金の受け取りを認めているが、夫妻は複数回行われた任意の聴取に買収の意図を否定しているという。

 検察側としては、現金配布の時期が昨年4月の統一地方選の時期に近く「当選祝いという認識で受け取った」と話している議員もいることから、現金授受の趣旨が焦点となる。