――筆者のジュード・ブランシェット氏は中国政治専門家、セス・ジョーンズ氏は米国防総省の特殊作戦軍(SOCOM)の元高官。両氏とも戦略国際問題研究所(CSIS)に在籍。 ***  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生源や影響について米中が対立する中、両国の情報戦が一気に激化しているが、この戦いは米国側に圧倒的に不利な展開となっている。中国は、米国の文化や政治情勢に関する翻訳・調査に多くの資源を注ぎ込んでいる。しかし、米国の政府と民間部門は、中国共産党に効果的に対抗できるだけの言語能力や専門知識を獲得するための投資を怠ってきた。