米国の雇用市場は恐らくまだ回復途上だが、一部投資家が思ったほど急速ではない。米労働省が18日発表した13日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は150万件と、前週からわずか5万8000件の減少となった。自営業者やギグワーカーのために設置されたパンデミック失業支援(PUA)プログラムへの申請件数(季節調整前)は前週の69万4463 件から76万0526件に増加した。通常の失業保険の継続受給者数(1週間遅れで発表)は6日終了週で2050万人と、前週から小幅に減少した。新型コロナウイルス危機下で雇用市場の実態を把握するツールとしては、失業保険申請件数は過去のリセッション(景気後退)時ほど有用ではないことが分かった。州のシステムに過剰な負荷が掛かって処理が滞った結果、申請が遅れたり、初回の申請で却下された人が繰り返し申請したりといった問題が発生した。さらに、景気悪化で最も影響を受ける職種の変化も、データ分析を困難にした。失業保険データによれば5月は大量の失業者が出たが、同月の雇用統計は逆に雇用増を示した。