その名も「タイチャナ(タイは勝つ)」と呼ぶ店舗訪問客を追跡するシステムで、同日の午前6時からスタートした。

 利用客が店舗や施設に入る際に「チェックイン」、出る際に「チェックアウト」のボタンを押す。これらのデータは60日間保存されるので、万が一感染者が判明した場合、チェックイン・チェックアウトの履歴から個人を特定し、クラスター(集団感染)の発生を最小限に食い止められる

 一方、利用者にとっても、クラスターの際に「タイは勝つ」を通して連絡があった場合は各種検査を無料で受けることができるメリットがある。

 しかし、この「タイは勝つ」の導入により、多くの商業施設が再開早々、混乱に陥ることになった。

開始早々に
偽サイトも登場

 新型コロナ対策として、政府が鳴り物入りで始めた「タイは勝つ」には大きく3つの問題があった。

 1つ目は、システムへの不信感だ。

 タイは政府の力が強い。ましてや今はほぼ軍政である。そのため、日本とは違い、政府がある程度強硬手段に出ても、国民はそれに従ってきた。

 一方で、最近はタイ政府に不信感を持つ人が増えている。軍政により窮屈な社会になっていると感じるタイ国民が増加しているのだ。

 タイ政府に常に行動を監視されるという不安から、「タイは勝つ」をいきなり強制されることに拒絶反応を示す人も多い。