タイにアイコスを持ち込んだら高額罰金を科されたという、日本人には驚くようなニュースがたびたび出る。紙巻きタバコや、健康被害で悪名高くなった電子タバコに加えて、なぜタイ政府はアイコスなどの加熱式タバコも禁止するのだろうか?

電子タバコは一切ダメ!
タイの厳しい規制

タイで販売されているタバコのパッケージ箱全体の85パーセントを衝撃的な写真や警告文が覆うタイのタバコ。電子や加熱式タバコは全面禁止という厳しさである

 電子タバコ(Vape)の規制が世界的に進んでいる。タイやシンガポール、ベネズエラなどに加えて、インド、アメリカなど大国も禁止方針を打ち出すなど、禁止の流れが加速しつつある(ただしアメリカは、来年の大統領選挙への影響を考えたトランプ大統領が、一転して電子タバコ禁止に後ろ向きになったとの報道も出ている)。

 一方、電子タバコの身体への害が話題となる前から、一貫して厳しく規制していたのがタイだ。タイの電子タバコ禁止条例は、2014年12月27日に発令され、2017年からは加熱式タバコも含まれており、タイ国政府観光庁が日本語公式サイトでも注意を呼びかけている。

 その認識がなくアイコスをタイへ持ち込み、4万バーツ(約14万3000円)の罰金を払った例もある。

 たとえアイコスを吸わずに所持しているだけでも違反となり、最高で10年の懲役、または最高50万バーツ(約180万円)の罰金のいずれかが科されるという厳しいものだ。現実的には懲役はなく、罰金のみというケースが大半で、日本円で22万バーツ(80万円近く)の罰金を払ったというケースも報じられている。

 また、紙巻きタバコに関しても、タイの規制は厳しい。喫煙所以外での屋外喫煙、吸い殻のポイ捨への罰金に加えて、飲食店内では喫煙禁止。さらに今年に入って、スワンナプーム国際空港やドンムアン空港の喫煙所も撤去されるなど、愛煙家は肩身が狭い。