高田胤臣
タイは世界的に見ても珍しい方法で徴兵を行っている。くじ引きだ。すでに世界中のメディアが取り上げているため、ご存じの方もいるだろう。しかし、その裏には報道されない事実も少なくない。メディアの多くは「行きたくないのに兵役に当たってしまい泣き崩れる若者」ばかりに注目するが、実は徴兵くじ引き会場で見られる人々の心の動きはそれだけではない。コロナ禍の会場で、当事者とその家族たちに話を聞いた。

日本では7月1日から小売店のレジ袋が有料化されているが、タイではすでに1月1日にレジ袋が廃止され、自身で買い物袋やエコバッグを持参するか、店頭で有料袋を購入する必要が出ている。だが、当初こそタイ国民たちに歓迎されたものの、コロナの影響もあって、プラスチックゴミはむしろ増加するなど、早くも迷走し始めている。

タイ政府は新型コロナウイルスに対して日本とは違い、かなり強硬な策を取ってきたこともあり、5月上旬には国内の新規感染者が0人の日が続くようになった。6月中旬現在も、毎日数人の新規感染者がタイ国内で見つかっているが、いずれも海外から帰国してきたタイ人ばかりで、国内の新規感染者が執筆時点では出ていない。

タイは3月26日に「非常事態宣言」、4月3日には「夜間外出禁止令」が発出され、違反者には4万バーツ(約12万円)未満の罰金、もしくは2年未満の禁錮刑に処されることになった。法的拘束力がない日本の緊急事態宣言と異なり、タイは日本よりもずっと厳しい措置を取っているのだ。

東京都で新型コロナ感染者数が急増する中、「緊急事態宣言」がにわかに現実味を帯びつつある。一方、日本人に人気が高い東南アジアの観光国タイの政府は、3月26日に非常事態宣言を発令した。タイはこの数日、毎日100人超の新感染者が発見され、同27日時点でタイ国内の感染者が1100人を超えていて、先がまったく見えない。
