Photo:123RF

新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けたのは株式市場だけではない。企業にとって株式と並ぶ資金調達の場である社債やCP(コマーシャルペーパー)といった市場、いわゆるクレジット市場も大きく動揺した。財政当局や中央銀行のさまざまな施策で直近では落ち着きを取り戻してはいる。政策総動員は評価できるが、人為的な安定の“ツケ”がいつかは回ってくる可能性は否定できない。(BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長 中空麻奈)

コロナ禍で大きく悪化した
社債、CPなどのクレジット市場

 未曽有の金融緩和による流動性相場を震撼させたコロナショックは、長く抑え込まれていたVIX指数を大きくワイド化(上昇)させ、クレジット市場(社債、CP=コマーシャルペーパー、債権の証券化商品など信用リスクを内包する金融商品の市場)にも影響をもたらした。

 VIX指数とはいわゆる恐怖指数ともいわれるもので、一般的に数値が高くなると投資家の不安感が増していることを示す。

 起点をいつにするかによるが、たとえば2月末からコロナショックが大規模に拡散したと見れば、丸3カ月が経過した現在、世界中の封じ込め策が効き始め、都市封鎖から解放される国や都市が増えている。

 とはいえ、クレジット市場は「弱り目にたたり目」が付いて回る。相対的に弱い(信用力の低い)部分にリスクが残り、顕在化すると考えれば、新興国やハイイールド(信用力の低い高利回り)債など弱い部分からのデフォルト(債務不履行)はこれから出てくると見ている。本格的な意味でのクレジットリスクの収束は当分先であろう。

 クレジットスプレッドを見てみよう。

 クレジットスプレッドとは、国債や(固定金利と変動金利の交換といった)スワップなど基準となる金利にどれ程のリスクプレミアム(信用度に応じた金利の上乗せ分)を支払えば、社債やCPなどの発行体が資金調達をすることができるかを示すものだ。

 リスクプレミアムが小さい程、信用力は安定していることを示し、逆に大きくなるほど、信用力が悪化していることを示す。