もともと不均衡な状態にあったロシアと中国の協力関係は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と原油相場の低迷でさらに偏ったものとなった。新型コロナの拡散を受けて米中の対立が激化する中で、ロシア政府は難しい課題に直面している。それは、大きく膨れ上がってきた超大国同士の衝突の暗雲に巻き込まれることなく、中国からロシアに提供される経済面のライフラインをいかに維持するかという問題だ。カーネギー財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長は「ロシア国内では、巨大な中国に近づきすぎれば、中国への好ましからざる依存を招きかねないとの認識が次第に強まっている」と指摘。「最も重要なのはロシアが均衡を保ち、米中間の争いに巻き込まれないことだ」と語った。
米中対立に巻き込まれたくないロシア
中国依存が高まるなか、ウイルス禍で弱ったロシアは独自路線を目指す
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