強引さを増す中国を前に、インドは同じように中国台頭への懸念を共有する米国やその同盟国との軍事協力強化を検討しているとみられている。インド兵士20人の死者を出した国境付近における中印の衝突は、ヒマラヤ山脈やインド洋の係争地を巡り、中国軍が進める実効支配の動きが突きつける課題を改めて印象づけた。インドは中国との対立で、他国による直接的な干渉には抵抗するとみられるものの、軍事力強化や地域における影響力拡大を目指し、米国やその同盟国と緊密に連携することで、中国に対する立場を強化しようとするとの見方が出ている。ニューデリーのシンクタンク、オブザーバー研究財団のマノジ・ジョシ特別客員研究員は「インドは中国の封じ込めを狙う米国などと共闘態勢を探る」とみる。「米国や英国、オーストラリア、日本など、同じ考えを持った国々との外交努力を強化するだろう」