ドナルド・トランプ米大統領の経済対策はいつも矛盾に満ちている。米国が世界のハイテク産業の中心地であることを望む一方で、世界的競争力を維持するために不可欠な人材を締め出すことにした。これが22日に同氏が署名した、経済全体にわたり合法的な就労ビザ(査証)発給を制限する大統領令の意味するところだ。  その狙いは、右派の制限主義者に秋波を送ることにある。彼らは不法移民には反対だと主張するが、本音では全移民の受け入れ停止を望んでいる。大統領令にはこう記された。「米国人労働者は経済のあらゆる分野で外国人と雇用を奪い合っている。