職人のステファノ・アントネッリ氏(58)は自家工房で数十年にわたりプレキシガラス(アクリル)の加工をしてきた。自転車や家具、芸術作品を作るのだ。だが最近、地元の病院から患者の頭部を覆う箱を頼まれた。新型コロナウイルスの感染を防ぐためのものだ。過去数カ月間、店舗やレストランなどからも透明なアクリルで防護装置を作るよう多くの要請を受けてきた。「ツナミのようだ。過去40年間で似たような事態は経験がない」とアントネッリ氏は話している。プレキシガラスは一種のプラスチックで、第2次世界大戦中に真価を発揮するようになった。飛行機の風よけでガラスより安全な代替品とされたのだ。ソーシャルディスタンシング(一定の対人距離確保)措置と防護具が重要な現在、デザイナーはプレキシガラスのビーチ用囲い、教室で生徒を隔てるボックスなどを提供している。