SBIホールディングスが地方銀行との広域連合に向け動いている。SBIが示した地銀改革策の一つが、有価証券の外部運用だ。SBIの対抗馬として、新興企業が地銀に対する運用助言事業に名乗りを上げた。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
「SBIに“丸投げ”すれば万事OKではなく、投資運用プロセスを自ら変えていくことが大事だと地銀に促していきたい」──。
こう語るのは、日本資産運用基盤グループの大原啓一社長だ。大原氏は、マネックスグループ傘下の投資顧問会社の社長を経て、2018年5月に同社を創業。金融機関のシステム導入や内部管理態勢の構築支援などを行ってきたが、新しく地方銀行の市場運用部門向けに「外部CIO(最高投資責任者)」事業を立ち上げた。7月以降に本格展開するという。
市場運用部門といえば、融資・手数料事業と比肩する地銀の収益源だ。だが、日本銀行のマイナス金利政策以降、要である日本国債の利回りに期待できなくなったため、高リスク運用が求められるようになった。だが、それに応じたリスク管理などの実力が伴っていない地銀が少なくなく、米国債による大幅な損切りを余儀なくされるところも出た。金融庁も新たなリスクを抱え込む地銀に懸念を示している。
こうした運用不振に陥った地銀に対して、大原氏は外部CIO事業を通じ、運用体制の改革を促す考えだ。同事業を推進するに当たり、大原氏は重要なポイントが三つあると指摘する。