中国にこびへつらうことには、どんなコストが伴うのだろうか。ヒマラヤの国境地帯で先週起きた中国との衝突を受け、インドは現在こうした問いに直面している。衝突ではインド兵20人が死亡し、中国兵の死者数は明らかになっていない。中印間では過去50年以上の期間で最悪の惨事となった今回の衝突により、世界最大級の軍隊を持つ両国間の緊張が一段と高まった。今回の流血の事態は、5月初旬に始まった6週間にわたる対立の後で起きた。インドのメディアによれば、中国の人民解放軍はこの間に何度も境界を越えてインド側に侵入しており、その後背地域では中国軍の大規模な増強が見られた。カーネギー国際平和財団のアジア安全保障問題専門家であるアシュリー・J・テリス氏は、インドが人民解放軍を押し戻せなければ「それは中国による威嚇行為の大きな成功例となり、さらなる脅迫に道を開くことになるだろう」と指摘。「そうなればインドの外交力がそがれ、アジアで中国に比肩する勢力として認められたいというインドの長年の希望が失われるだろう」と語った。それは、より小さなアジアの国々に「抵抗しても無駄だ」というメッセージを送ることになるもという。