コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
19万部を突破した『ストレスフリー超大全』で、著者の精神科医・樺沢紫苑氏は、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。
「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る――(この記事は2020年7月1日付け記事を再構成したものです)
「悩み」の正体とは何か
そもそも「悩み」とは何なのでしょう。
ある問題について、苦しみ、思いわずらっている状態が「悩み」です。その「苦しみ」が取り除かれ、あれこれと考えることがなくなれば、「悩み」は解決した状態になります。
私宛ての悩み相談のメールを分析すると、ほとんどが同じ形式で書かれています。
「上司との人間関係で悩んでいます。どうしたらいいでしょうか?」
「うつ病で3年間治療していますが、一向によくなりません。どうしたらいいでしょうか?」
「朝起きるのがものすごくつらいです。何かいい方法はありませんか?」
つまり、「どうしたらいいか?」という「対処法」「解決法」を知りたいのがほとんどの「悩み」の共通点です。
方法や対処法がわからず、現状から好転するメドが立たないので、不安だ。心配だ。気分が落ち込む。苦しい。同じ考えが堂々巡りする。それが「悩んでいる」状態です。
では、どうすれば悩みを解決できるのでしょうか。
悩み解決の手順は、簡単です。対処法や解決法を知る(Know)。そして、それを実行する、行動する(Do)。それだけです。
対処法を知る方法は、「自分で調べる」(自力で解決)と「人に相談する」(他人の力を借りる)の2パターンしかありません。
濃い霧の中を歩いていると、目的地に到達できるか不安になります。「この先どうなるんだろう」「どうすればいいんだろう」という先行き不透明感です。
霧が晴れて、遠くに目的地が見えたらどうでしょう。後は、そこまで歩いていくだけです。「こうすれば、解決する」という明確な対処法、解決法が見えると、霧は晴れます。目的地が行けそうな場所に見えてくるのです。
悩み解決法を「知る(Know)」だけなら、1日あれば十分です。何日も、何ヵ月も何年も悩み続ける必要はありません。