旅では「市民の顔色」を見る

男性:世界中を旅してきた出口さんにお聞きしたいですが、中国でおすすめの都市はどこでしょうか。

出口:上海が一番面白いでしょう。2泊3日ぐらいで買い物をして、おいしい中華を食べて街をブラブラ歩くのが一番楽しいと思います。

男性:いつも出口さんは旅でどんなところを見ているのですか。

出口:市民の顔色です。

だって悪い政治をやっていたら、みんな暗い顔になるじゃないですか。

会社と一緒ですよ。だって悪い職場は社員みんなが暗い顔をしているでしょう(笑)。

社員がみんな楽しそうだったら、多分、社長は立派な人ですよね。それと同じです。

普通の人の顔色、衣服、買い物のパターンを見るのが一番、その国の国民性がよくわかると思います。

男性:ただ、中国は、いろいろなことを強引に進めていくイメージがあります。

出口:アメリカのほうが強引かもしれませんけれどね。

超大国は、何をやっても許されるところがあるので、基本的にわがままです。

アメリカと中国は本当によく似ています。

よろしければ、僕が書いた『全世界史(上・下)』(新潮文庫)を読んでみてください。中国は、アヘン戦争以前は人口が多く世界のGDPの3割ぐらいのシェアを持っていました。大きな潮流で見ると、今、徐々に元に戻っていく方向だと思いますね。

男性:ありがとうございます。


続きは次回にしましょう。

過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。