―WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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米国や大半の先進国の債券は、将来の金利が日本のようになりそうなことを示唆している。米国では、銀行の利益や金融政策の選択肢も日本の後を追うことになりそうだ。
期間が同じ先進国の長期国債と日本国債の利回り格差は著しく縮小してきた。先週時点におけるICEバンク・オブ・アメリカ15+グローバル・ガバメント・エックス・ジャパン指数と30年物日本国債のスプレッドは0.4ポイント未満と、過去最低水準に縮小している。
2020年初め時点でも、両者のスプレッドは1.2ポイントあった。英国の30年債利回りは、今や日本の30年債とほぼ同水準にある。
そうした動きの背景には2つの要因がある。1つは世界的な債券利回りの低下で、消費の落ち込みや貯蓄の増加、それに中央銀行が金融緩和を余儀なくされたことが利回りを押し下げた。