第5世代移動通信システム(5G)を巡る世界の覇権争いで、フィンランドのノキアは誤ったコンピューターチップに大きく賭けた。携帯通信各社は現在、世界中で5G網の構築を進めているが、ノキアはそれら通信会社に販売している機器向けにコストの高いプロセッサーを採用した。しかし、顧客が支持したのは、中国の華為技術(ファーウェイ)やスウェーデンのエリクソンが提供するより安価でエネルギー消費の少ないチップの方だった。ノキアは来月、最高経営責任者(CEO)を入れ替え、チップを巡るミスでそれらライバルに奪われた市場シェアを急いで奪還する構えだ。2018年に過ちに気づいた同社は、携帯通信機器部門のトップをトンミ・ウイット氏に交代させた。同氏が着手した2年にわたる再編計画は今、奏功し始めているという。