小池百合子知事
記者会見する東京都の小池百合子知事(6日、東京都庁)。なぜ再び都民に向けて、他県への移動自粛を呼びかけるのか Photo:JIJI

不要不急の他県への移動を再び規制
なぜ国にケンカを仕掛けるような行為を?

「都民に改めてお願いします。不要不急の他県への移動はご遠慮いただきたい」

 東京都で新規感染者の100人超えが続く中で、小池百合子東京都知事が1400万都民へ向けて行った「呼びかけ」が、物議を醸している。安倍政権に対してケンカを売っているようにしか聞こえないからだ。

 政府としては、「東京の感染者100人超え」は確かに憂慮すべきものではあるが、ほとんどが「夜の街」などの若者が中心で、医療体制もまだ十分余裕があるということから、県をまたいだ移動の自粛を要請するようなレベルではない、というスタンスを貫いている。しかし、そのすぐそばで、330万票という圧倒的な支持を得て再選した東京都知事が、「移動しないで」と真逆のアナウンスをしているワケだ。

 完全なちゃぶ台返し、いやむしろ「政府の言うことなんて信じるなよ」と言っているのに等しい。「確信犯的にケンカを仕掛けている」ようにも見える。

 では、なぜ小池氏はこんなことを言い出したのだろうか。

「そんなもん、感染者の数を抑えたい一心からに決まっているだろ!命よりカネを優先する政府よりも、小池氏の方がちゃんと仕事をしているぞ!」という支持者からのお叱りが飛んできそうだが、もしそうだと仮定するならば、なんともしっくりこない話だ。

 感染者が増えているのは東京なのだから、都知事が今何よりもやらなくてはいけないのは、「都内の感染者」を減らすことであることは言うまでもない。新宿や池袋などの具体的なエリアや、ホストクラブなどの具体的な業態までわかっているのだから、そこにフォーカスした対策を講じるべきだ。それがひいては、周辺の県への感染の広がりを抑えることにもなる。

 しかし、7月8日現在、小池氏の口から新規感染者を抑えるための具体的な対策は出ていない。やるべきことをやらないで、大多数が感染していない1400万都民の移動を制限したところで、「都内の感染者」は減るわけがない。