新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する当初の想定の一部はもはや意味をなさなくなった――そのことは今後の進展にとって良い知らせかもしれない。新型コロナウイルスが従来の認識より早く拡散し始めたと考えるべき根拠があり、「集団免疫」が思った以上に早く実現する可能性を高めている。中国当局によると武漢では昨年11月に最初の感染者が確認されているが、湖北省は1月23日にようやく封鎖(ロックダウン)された。その2カ月間、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ローマ、サンフランシスコを含む国外30都市に向けて武漢から直行便が運航されていた。下水から見つかった新型ウイルスの痕跡は、イタリアでは12月中旬、ブラジルでは11月下旬にまでさかのぼる。医師らは最近、パリ郊外で魚屋を営むアルジェリア出身の男性(42)が12月27日時点でCOVID-19にかかっていたと結論づけた。男性は同日、インフルエンザの検査を受けたが陰性だった。最近の渡航歴がない男性がどのようにコロナに感染したのかは不明だが、子供たちも体調を崩しており、また男性の妻はシャルル・ドゴール空港近くのスーパーマーケットで働いていた。妻に体調の変化はなかったが、ウイルスを持っていた可能性はある。