202年の歴史を持つ老舗紳士服メーカーの米ブルックス・ブラザーズ(株式非公開)は8日、デラウェア州ウィルミントンで連邦破産法11条(民事再生法に相当)の適用を申請した。2度の世界大戦とカジュアル衣料へのシフトを生き抜いた同社だが、新型コロナウイルスの流行には勝てなかった。同社は米国内で服を製造している数少ないブランドだったが、6月には米国の3工場を閉鎖する可能性があると警告していた。米国で新型コロナの流行が本格化した3月以降、百貨店大手JCペニーやJクルー・グループなど、数々の米小売業者が破産法に基づく保護を申請している。ある関係者によれば、ブルックス・ブラザーズは法的整理手続きを利用して事業売却先を模索する予定で、WHPグローバルから7500万ドル(約80億円)の融資を確保した。投資会社のオークツリー・キャピタルとブラックロックが出資するWHPは、「アン・クライン」や「ジョセフ・アブード」などを擁するブランド経営会社。