財政が破綻すると皆が確信した瞬間に国債が暴落するが、最後に大逆転が起きて、財政は結局破綻しない。(塚崎公義)
新型コロナウイルス不況への対応で、財政赤字が巨額に膨らんでいる。財政赤字を懸念する人もいるだろうから、財政に関する数回のシリーズを組むことにした。3回目の今回は、近未来小説風に財政破綻直前の様子をシミュレーションしてみよう。
日本国債の格下げで国債が暴落
以下は財政破綻をめぐって起こる架空のストーリーである。
日本時間の○○年△△月××日未明、日付が変わる前の米国で日本国債が格下げとなり、投資適格から投機的格付けに落とされた。投資適格債しか買えない規定の機関投資家も多いので、日本国債の投げ売りが始まった。
一般の投資家は機関投資家の投げ売りが出尽くした頃に買えばよいと考えて買い注文を引っ込めた。そして、投機家たちは日本国債を猛烈に空売りした。暴落が止まらなくなった。