フィナンシャル・プランナーのチップ・メッセンジャー氏(45)は米カリフォルニア州南部のベースボールファンの間で超人気者になりそうだ。サンディエゴ中心部にある高級コンドミニアム「ザ・レジェンド」の一室を開放することにしたのだ。15階にある自宅のバルコニーからは、メジャーリーグベースボール(MLB)のパドレスが本拠を置く「ペトコ・パーク」の中をのぞき込むことができる。この居住者ならではの特典を、通常の状況なら友人や同僚に無料のシーズンチケットだと自慢できる。だが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きた現在は、野球を愛する者にとって国内有数の価値を持つ不動産物件となり得る。というのもメッセンジャー氏は2020年のMLBの公式戦を、テレビ画面を通してではなく実際に自分の目で観戦できる国内で数少ない人間の1人だからだ。コロナ感染拡大の影響で開幕が延期されていたMLBは、60試合に規模を縮小したシーズンを7月23日に始める予定で、少なくとも当初は「無観客開催」となる。