米国で最も注目度の高い役職の1つは、入れ替わりの激しい職務でもある。人種を巡る組織内の分断や格差に対処する必要に迫られ、米企業は最高多様性責任者(CDO)の採用や既存のリーダーのCDOへの昇進を急いでいる。この役職は長年、離職率の高さが目立ってきた。現・元CDOによると、リソースの不足や非現実的な期待、上級幹部から十分な支援が得られないことなどが理由だ。採用担当者によると、離職率が高いのは需要が高いことも理由の1つで、在籍期間は平均で約3年。多様性に関する著書があるパメラ・ニューカーク氏は、この役職に引かれる人たちは「自身を変革請負人とみている」とし、「そうした人たちが実際に組織に入り、変革を起こす力がないことに気づかされることがある」と話す。