米国の大手銀行は、新型コロナウイルスによるリセッション(景気後退)の最悪期はこれからやってくると身構え、貸倒損失の波に備えて多額の引当金を計上している。JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴは14日の決算発表で、個人顧客や企業のデフォルト(債務不履行)が発生し始めたため、多額の貸倒引当金を計上し、4-6月期(第2四半期)の利益が大きく押し下げられたと述べた。引当金は3行合わせて280億ドル(約3兆円)と、1-3月期を大幅に上回る。これは新型コロナ流行の経済的打撃が続く期間や深刻さを巡り、大手行の想定が変化していることを反映するものだ。資産規模で米最大手のJPモルガンは、失業率が優に来年まで2桁台で高止まりし、国内総生産(GDP)成長率の回復が3カ月前の同行エコノミストの予測より遅れるとみて、引当金を積み増した。
コロナ貸し倒れに備える米銀 「普通の景気後退ではない」
JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの引当金は計3兆円
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