ドナルド・トランプ米大統領の新型コロナウイルス対策に対する評価は急落している(ABCニュースとイプソスの先週の世論調査では評価しないとの回答が67%)。広報活動の改善策が練られているのかどうかも、はっきりしない。これに関連した15日のニュースは、ピーター・ナバロ米大統領補佐官(通商担当)が国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長の判断を新聞への寄稿で批判したことだった。ホワイトハウスは、この寄稿とのかかわりを公式に否定している。ただ、寄稿が掲載される前の12日には、ホワイトハウスのソーシャルメディア責任者がファウチ氏を批判する漫画をネットに投稿していた。
ファウチ氏がすべてに関して正しいと言いたいわけではない。特に新型コロナ流行初期にマスク着用の必要性を否定したこと(その後撤回)は、保健医療分野の専門家に対する一般市民の信頼感を損ねた。また、ファウチ氏がコロナに関する政策を決めるべきというわけでもない。政策は選挙で選ばれた者が決めるものだ。問題は、ホワイトハウスがコロナに関して一貫性のあるメッセージを発信するのを諦めてしまったように見えることと、内部の批判が機能不全の印象を強め、政治的なダメージをもたらしていることだ。