りそな銀行大手銀行のうち、りそなホールディングスと三井住友フィナンシャルグループが相次いでファンドの設立に動いた Photo by Takahiro Tanoue

りそなホールディングスや三井住友フィナンシャルグループなど、銀行が相次いで事業会社に出資するファンドを設立する。背景にあるのは事業承継を巡る規制緩和の動きだが、各行独自の思惑がある。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

 事業承継の支援が銀行に求められる中で、大手銀行グループのりそなホールディングス(HD)は、100%出資に伴う“企業経営”という秘策に打って出た――。

 7月、りそなHDが事業承継向けのバイアウトファンドを立ち上げると明らかにした。来年1月にりそなHD傘下に投資専門子会社を設立し、3月にりそな銀行からの出資を受けてファンドを組成するスケジュールで動いている。1件の投資金額は10億~20億円となり、3~4年をめどに投資総額100億円を目指すという。

 経営者の高齢化に伴い、中堅中小企業には事業承継という経営課題が待ったなしで迫っている。事業承継では、不動産や株式などの承継が発生するため、信託銀行や証券会社などの金融サービスを提供できる銀行グループは、ここぞとばかりに支援の手を挙げていた。