7年ぶりに続編がスタートした人気ドラマ「半沢直樹」のストーリーに影響しかねないような問題が動いている。それは、銀行と証券会社の間の業務を隔てている「ファイアウオール規制」の撤廃に関する動きだ。これは、私たち個人にとっても企業にとっても危険すぎる。本稿で警鐘を鳴らしたい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
半沢直樹も心配する?
銀行と証券会社の「壁」撤廃論
7月19日からTBS系ドラマ「半沢直樹」(日曜日21時~)の続編が、いよいよ7年ぶりにスタートした。今回、主人公の半沢は、銀行系列の証券会社に出向しているが、そのストーリーにも影響しかねないような問題が、今動いている。
銀行と証券会社の間の業務を隔てている、いわゆる「ファイアウオール規制」の撤廃の可能性が浮上した。自民党が6月に公表した「ポストコロナの経済社会に向けた成長戦略」の中で取り上げられた。
これまでは、海外金融機関との競争条件を考慮して、海外業務での規制緩和が検討されるという銀行・証券両業界の了解だったが、国内業務でも「検討する」との文言が加わったのだ。