蔵人金男コロワイド会長コロワイドグループを実質的に一代で築いた蔵人金男会長。その立志伝中の人物が30億円超をだまされたМ資金詐欺の全手口とは Photo by Koyo Yamamoto

外食大手「コロワイド」を実質的に一代で築いた蔵人金男会長が、30億円超の巨額詐欺被害に遭っていたことが明らかになった。その驚きの手口を明らかにする。(東京経済東京支社情報部 井出豪彦)

蔵人会長が
だまされた理由

 先週の週刊誌各誌は外食大手「コロワイド」トップの蔵人金男会長(72)が「M資金詐欺」の被害に遭っていたことを相次ぎ報じた。詐欺グループは武藤薫容疑者(66)、飯田正志容疑者(79)、五十嵐文昭容疑者(59)の3人で、すでに先月11日と今月1日、神奈川県警捜査2課に逮捕されている。

 逮捕時には被害者について「神奈川県在住の70代男性会社役員」とだけ報じられ、まさか蔵人会長だとは誰も気が付かなかった。

 被害額は実に31億5000万円。武藤容疑者らは「2800億円の『基幹産業育成資金』を提供できる」などとウソを言って、交渉費や資金を保管する倉庫代などの名目で2017年9月から翌年12月までの間、10回に分けてカネを振り込ませたという。