外食大手のコロワイドが、定食チェーンの大戸屋ホールディングスに対して、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。居酒屋業態が苦境に陥る中、定食業態の強化で生き残りを目指す。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
コロワイド会長は「買いまくる」と強気
株主総会は大戸屋の“圧勝”に終わった
「ホワイトナイトが現れようが、株価が現在の2~3倍になろうが、買いまくる」――。
外食大手コロワイドの蔵人金男会長は7月6日、ダイヤモンド編集部のインタビューでこう強気の姿勢を見せていた。
外食大手のコロワイドは9日、定食チェーンの大戸屋ホールディングスに対して、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。
現在コロワイドは大戸屋の筆頭株主で、持ち株比率は約19%。最大で71億円を投じ、TOBを通じて持ち株比率を50%超に高め、連結子会社化したい考えだ。
2019年10月に大戸屋の創業家がコロワイドに株式を譲り渡し、コロワイドが筆頭株主となって以降、両社は激しい対立を続けている。
6月25日に開かれた大戸屋の株主総会では、コロワイドが取締役の刷新を求め、株主提案を行った。創業者の息子や、コロワイドの現経営陣を取締役に加えることを要求したものの、株主提案への賛成は15%程度に留まり、大戸屋側の“圧勝”に終わった。
ただ、株主総会での大戸屋勝利の裏には、コロワイド側の“ミス”があった。