ケンタッキー州エッジウッドの元道化師、カレン・リュークスさん(46)はソーシャルディスタンス(対人距離)確保用の衣装で工夫を凝らしたかった。そして創意工夫には厄介が伴うことを間もなく知った。  リュークスさんは1カ月かけて作った黙示録的な衣装でスーパーを訪れた。約2メートルの黒いかご型のスカート、約60センチのくちばし型をした「ペスト医師」のマスク、羽根つきの帽子といったいでたちだった。  顔のマスクのせいで周囲がよく見えなかった。「角を曲がったと思ったら、あちこちで物を落としていた」  この衣装――「私の恐れの表明」――を身につけたのは数回だけだ。