米国では新学期シーズンが近づいているが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による混乱で、授業運営がどうなるのか先が見通せない状況にある。これは児童・生徒や親だけの問題ではない。経済の回復力および長期的な健全性にとっても大きな障害だ。全米でも先行して新学期が始まるアリゾナ州フェニックス郊外のチャンドラー統一学区(生徒数4万5000人超)では、先々週から授業が再開されるはずだった。しかし、開始時期は来月初旬に延期され、しかもネットでの遠隔授業となった。アリゾナ州は少なくとも8月17日まで、すべての授業をネット経由の在宅学習とすることを義務づけている。同じような不透明感は、全米にある1万3000以上の学区にも降りかかる。その多くが新学期の開始日を延期し、登校とネット授業の組み合わせか、完全なオンライン授業を検討している。