実際、米国で発売されている「新型コロナのPCR検査キット」には、「インフルエンザA型、同B型、マイコプラズマ肺炎などのウイルスにも陽性になる」と注意事項が記載されている。

 つまり、インフルエンザウイルスやほかの常在性コロナウイルスの保有者が、新型コロナウイルスの感染者に数えられている可能性があるわけだ。そうだとすれば「PCR陽性者=感染者」という診断基準を変えない限り、新型コロナの感染者はいつまでも存在し続けることになる。

「疫学的な検出方法ではない」と臨床医
現在の診断基準でよいのか?

 このような検査は新型コロナウイルス感染症の診断基準として適正なのだろうか。

 大橋名誉教授によれば、米国疾病予防センター(CDC)のウェブサイトの「新型コロナウイルスに対するPCR検査の概要」には、次のような注意事項が記されている。

「PCR検査で検出されたウイルスの遺伝子は、感染性のウイルスの存在を示しているとは限らないし、新型コロナウイルスが臨床症状(肺炎など)の原因とは限らない」

 また米国で発売されている「新型コロナウイルス測定用のPCR検査キット」の説明書には次のように書かれている。

「本剤の検出結果はあくまでも臨床上の参考値であり、臨床診断・治療の唯一のエビデンス(証拠)として使用すべきものではない。患者の症状・徴候、既往歴、他の臨床検査値、治療反応などと併せて臨床管理を考慮すること。また、検出結果は臨床診断のエビデンスとして直接使用すべきものではなく、あくまでも臨床医の参考とする」

 つまり、PCR検査で陽性という結果だけで、新型コロナウイルス感染症と診断してはならないと注意を喚起しているのだ。

 大橋名誉教授は、超訴訟社会の米国では、いつ訴えられるか分からないので、正直に記載せざるを得ないのだろうと推測するが、日本の検査キットも原理は同じだと指摘する。

 その上で、多くの人にとっては風邪程度の健康被害をもたらすにすぎない新型コロナ問題が世界的な「騒動」になった原点は、PCR検査にあると指摘し、PCR検査の陽性者をそのまま新型コロナの感染者としている診断(判定)基準を改めるべきだと主張している。