7月17日に閣議決定された「成長戦略実行計画」。この内容を詳細に見れば、コロナ禍に乗じたショックドクトリン(惨事便乗型資本主義)に過ぎず、「この際に日本を都合よく変えてしまおう」と言わんばかりの計画が盛りだくさんの状態である。ただの「日本経済社会の破壊計画」ともいえるもので、決して日本国や国民のためになるものではない。その理由を解説する。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
「新しい働き方」の狙いは人件費削減
「労働環境の悪化」の粉飾
新型コロナウイルスの感染者がどこで何人増えたというニュースが、毎日速報で流され、それに人々が翻弄される、そんな状況がもう何カ月も続いている。地方に行けば、東京から来たというだけで店から追い出されるという話も聞く。家族から1人でも感染者が出ればその地域には住めないとおびえ、警戒する人も少なくない。
そうした状況を奇貨として「この際に日本を都合よく変えてしまおう」と言わんばかりの計画が決定され、実行に移されてようとしている。
それは、いうまでもない。7月17日に閣議決定された「成長戦略実行計画」である。本稿ではその中身について、主なものを取り上げつつ、何が問題なのかについて解説したい。