新型コロナウイルス感染がイタリア北部に広がった2月下旬、医師らは患者の治療法を巡る手掛かりが全く得られず、中国語の臨床ガイドラインをオンラインで探し、中国にいる友人に翻訳を頼んでいた。「あらゆることが書かれていた。中国の伝統医学の情報も」と、パパ・ジョバンニ23世病院の感染症病棟責任者を務めるマルコ・リッツィ氏は語る。「今は選択肢が増えている」。同病院があるベルガモ市はイタリアの感染中心地だ。欧州の医師らは、新型コロナ感染症(COVID-19)の治療法が進歩し、重症患者の致死率低下につながっていると指摘する。観光シーズンに入った欧州は局地的な集団感染に見舞われているが、こうした進歩は期待が持てる兆候だ。