米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への政府の対応を巡って公に不満をもらしてきた。だが、同社はコロナ時代で最大の勝ち組企業の1つになりそうだ。テスラは長年赤字が続き、多くの投資家は黒字化を疑問視していたが、温暖化ガス排出権の販売なども寄与し、史上最悪規模の景気悪化でも黒字を維持している。EVで首位のテスラを追いかける大手自動車メーカーが赤字や生産削減に見舞われる中、同社は急拡大している。テスラの株価は年初来で4倍に急騰し、マスク氏でさえも過熱気味だと示唆するほどだ。こうした好調の背景には、マスク氏が過去1年に取った一連の措置によってコロナ禍でも優位に立てたことがある。また、パンデミックのさなかに衛生当局に逆らってでも操業を続けようとしたマスク氏の決意も後押しした。
テスラ、コロナ時代の勝者に 事前の賭けが奏功
拡大に向けた道筋を確保し、競合大手よりも優位な立場に
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