著者からのメッセージ

 なぜ書籍を出したのかについて話させてください。

 経営者が書籍を出すということは成功者ぽい雰囲気になるので、挑戦している最中の自分が出すと気の緩みそうで避けてきました。そんな自分がなぜ書籍を出すのか。

 この本を届けたいのは今挑戦している真っ最中の起業家、ではなく「なんとなく学校に行って何かをしたい気持ちはあるけれど、ぶつけ先がなくそれでも気持ちはある。そんな毎日をすごしている高校生や大学生」です。

 僕は平凡で平和な小中高大学生活を送ってきて、ずっと自分の「熱」のぶつけ先を探してきました。高校大学と体育会での挑戦に挫折してしまい、いよいよ自分の熱のぶつけ先がなくなってしまいそのまま惰性で生きてきました。そんな中で起業家とベンチャーキャピタルという生き方に出会って以来、今日まで恥ずかしげもなくいうとずっと青春しています。

 僕はベンチャーキャピタルの活動の他に、個人でソーシャルセクターの活動を支援していて、その一環でETICとMAKERS UNIVERSITYという、高校生が大学生が挑戦し続けることを学ぶ学校を運営支援しています。

 彼ら彼女らが心底羨ましい。挑戦することが決まってそれに向かって試行錯誤している。そしてほとんど全員が失敗挫折する。その上でまた挑戦する。そんな彼らの挑戦を応援しながら、自分も16歳でこういうことを見つけたかったと思うし、ちょっと嫉妬もしちゃう。でもそんなみんなにも、挑戦しきれない時期があったし、すぐそばにポテンシャルはあるけど未だ挑戦できてない友達もいると思う。そんなみんなに向けて書きました。

「熱」の種をどう見つけるのか、どう育てていくのか。そもそも腹の底に抱えている「熱」の種を見えないふりしている人に、届けたい。

「熱」を抱えた投資家としてたくさんの「熱」を見て、応援して、大成功も大失敗も見てきた自分がいまわかることをすべて詰め込みました。

 この本は起業のHOW TOでもなく、テクニック本でもなく、強い「熱」を抱えてフラフラしている高校生大学生、そして新社会人に向けた挑戦状です。

 挑戦者を増やしたい。その挑戦を一番応援する挑戦者でありたい、僕の夢です。


■新刊書籍のご案内

『僕は君の「熱」に投資しよう――ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義』佐俣アンリ(著)、定価(本体1500円+税)、ダイヤモンド社刊

国内最大のシードファンド(300億円)を運営する、36歳、若手NO.1ベンチャーキャピタリスト・佐俣アンリ、待望のデビュー著作!

生き方に迷う「若者たち」を圧倒的に肯定し、徹底的に挑発する、仕事論の新しいバイブルが誕生した。

この本から、新時代のSONY、次のメルカリ、そして、今は誰も想像すらできない「未来の会社」が生まれるかもしれない。

べつに起業じゃなくてもかまわない。スポーツでもアートでも、趣味でも社会活動でも、目の前の仕事でも、なんだっていい。

もし君に「熱」があるならば、それを何かに100%ぶつけて、人生をスタートさせよう。

「ポテンシャルはあるけどチャレンジしていなかったり、登るべき山が見つからずに悶々としている10代・20代に届けたくて、この本を書いた。ノウハウ本でも成功本でもなく、ただ君の暴走本能を刺激する本だ。もし君が何かに挑戦するなら、支援しよう。大丈夫。君はかならず、成功する。」――佐俣アンリ

【本書の目次】

プロローグ 君はかならず、成功する

DAY 1 熱があるなら、ぶつけようぜ
・君はどっちのフラフラを選ぶ?
・若さとは、暴走である
・起業とは、夢を「見続ける」生き方
・エアビーもウーバーも、みんな最初は「せどり」だった
・事業とは、誰でも考えつくことを「100」倍の規模」でやること
・10年後の”格差”は、今の君の熱が決める

DAY 2 生きる場所を、選び間違えるな
・成功の9割は「場所」で決まる
・クリリンはなぜ地球人最強になれたのか
・「カバン持ち」で狙うべきは高名な人の独立後
・六本木のボロビルが、スタートアップの爆心地に
・「バラけるな。起業家は吹けば飛ぶ」
・僕が「米を買いに行く」理由
・君は天才に「おはよう」を言えるか

DAY 3 成長しなければ、死ぬ
・美しき「循環」
・「頑張る」と「成長」は別
・起業家の成長とは、事業の成長のみ
・起業家は、天才でも「打率3割」
・伸びない起業家は、スタートアップと名乗るな
・誰よりも成長した男
・起業家が経営者に成長する、上場の日

DAY 4 君は、人類の年表に触れたくはないか?
・職業、ベンチャーキャピタリスト
・確率と、独断と、偏見と
・最難関だからこそ、挑む
・ロマンチックに「ど・シード」を攻める
・怪物、孫正義
・投資家たちの「天下一武道会」

DAY 5 怖いけど、僕は「逃げない」
・出資者総会で一同「あれはわからない……」
・「キュレーションメディア」という名の発明
・聞くことがなくて無言の面接
・大炎上、再び持たざる者に
・カネより、挑戦だろ?
・人生のピーク年齢を安売りするな
・「ご機嫌でいる」責任
・「起業家は太陽、ベンチャーキャピタリストは月」
・コインチェック事件
・ベンチャーキャピタリストになるための条件
・成長という「魔物」と、どうつき合うか?

DAY 6 こんにちは先生、起業しませんか?
・愛と情熱の投資パートナー
・アカデミアの壁を崩す
・「それ、ダウトーーーーーーー!!」
・尿でがんを層別化する
・社長候補は、愛こそすべて
・僕は、天才が天才的に活躍する社会をつくりたい
・こちら東大前、天才たちのたまり場
・#核融合で起業しろ

DAY 7 圧倒的な未来を、つくろう
・あのときの「おめでとう」
・「てっぺん」が……見えない
・自分が一番、挑戦している
・履歴書からいかに過去の成功を消せるか
・ベンチャーキャピタリストが国策をつくる
・投資も寄付も、手段にすぎない
・僕が高校生に30万円を渡す理由
・日本の若いやつらは、異様に優秀
・ベンチャーキャピタルは「与信積みゲー」
・「舐めてるんだよ、おまえを」
・永遠のカウンターカルチャー
・Just for Fun
・本当に大切なことを「1つだけ」やろう