https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4478110859/diamondinc-22/
Photo: Adobe Stock

みなさんは「キリスト教」を知っているだろうか?
おそらく、「まったく知らない」という人はほとんどいないはずだ。しかし一方で「詳しい」と答える人も少ないのではないだろうか。
キリスト教は、西洋絵画やクラシック音楽を理解したり、歴史を学んだりするうえで欠かせない教養。
けれど、世間では「キリスト教」=「まじめ」とか「神聖なもの」というイメージが根強く、若干近寄りがたく思われている感も否めない。
ところが、そんな世間のイメージをぐるりと覆すツイッターアカウントがある。
「上馬キリスト教会」ツイッター部は「『アーメン』を現代語訳すると『それな』、関西弁訳なら『せやな』ではなく『ほんまそれ』」といった「面白いキリスト教情報」を発信し続け、いまやフォロワー数10万を超える人気アカウントだ。
その“中の人”が「キリスト教の入門書ですら敬遠してしまう、超入門者」に向けて書いたのが『上馬キリスト教会ツイッター部の キリスト教って、何なんだ? 本格的すぎる入門書には尻込みしてしまう人のための超入門書』(MARO著)。
わかりやすく、とっつきやすく、キリスト教の基本がわかると評判だ。
本稿では、特別に本書から一部を抜粋・再編集して「教養として知っておきたいキリスト教知識」を紹介する。

「カトリック」と「プロテスタント」の違いを説明できますか?

 「キリスト教」には、じつに多くの「教派」があります。

 最も多くの方が知っている教派は、何といっても「プロテスタント」と「カトリック」でしょう(もう一つ、日本ではあまり知られていませんが「正教会」という大きな教派もあります)。

 ここまではご存じの方が多いと思いますが、それではみなさん、この2つの教派の違いを説明できるでしょうか?

「教派」はこうして分かれていった

 まずは、これらの教派がどのように成立したか、大ざっぱに説明してみます。

 始まりは、イエス様とその弟子たちが建てた「キリスト教」です。

 後にキリスト教はローマ帝国の国教になりましたが、このローマ帝国が東西に分裂。そのため、教会も東西に分かれることになりました。

 やがて東西の教会は別々の教義を持つようになり、1054年にそれぞれの教会のトップがお互いに「君らはキリスト教じゃない」とケンカ(相互破門)して、「東方教会」と「西方教会」に決定的に分裂しました。

 これを大シスマといいます。「大シスマ」という言葉は世界史の教科書にもたぶん太字で書いてあります。ちなみに、「シスマ」とはラテン語で分裂という意味です。

 この「東方教会」が今の「正教会」で、ロシア正教・ギリシア正教などの「◯◯正教」と呼ばれる教派です。

 「西方教会」はその後、有名なマルティン・ルターさんの宗教改革により、「カトリック」から「プロテスタント」が分かれました。

 この三者はとても仲の悪い時期もありましたが、今ではいろいろ違いはありつつも「まあ、でもお互いにキリスト教だよね、僕たち」くらいには仲良しになっています。

 ※キリスト教の教派はこのほかにもありますが、複雑になるのでここでは大きく三つに分けてお話ししています。

 ざっとまとめれば「東が正教会、西がさらに分かれてカトリックとプロテスタント」ということです。

「カトリック」と「プロテスタント」の違い

 それでは本題にまいりましょう。

 「カトリック」と「プロテスタント」は先に書いたようにどちらも「西方教会」の教派ですが、違いはいろいろあります。

 まず大きな違いがローマ教皇の扱いです。

 カトリックではローマ教皇を教会のトップであり、特別な存在であると扱いますが、プロテスタントでは「人間は神様以外みんな同じ」と考えるのでローマ教皇を特別な存在として扱うことはありません。

 イエスの母マリアについても、同じ理由でプロテスタントでは「イエス様を産んだとはいえ、一人の人間でしかない」と捉えるのに対し、カトリックでは「聖母マリア」という特別な存在として捉えます。ですから教会に行ってみて、マリア像があったらカトリックの教会、なかったらプロテスタントの教会と判断することもできます。

 しかし、両者の最も簡単な判別方法は、聖職者の呼び方です。カトリックでは「神父」とか「司祭」と呼ぶのに対し、プロテスタントでは「牧師」と呼びます。

 実際には呼び方だけでなく、役割自体も違うんですけれど、それは少し難しい話で長くなりますから本書では触れていません。

 また日曜日にカトリックでは「ミサ」を行いますが、プロテスタントでは「礼拝」をします。ですから教会の看板に「ミサ」と書いてあるか「礼拝」と書いてあるかでも、ほぼ100%見分けることができます。

 ほかにもまだ違いはあるのですが、プロテスタントの中にも「カトリックに近い」教会もあれば、「かなり違う」教会もあるので、なかなか一般化して一概には言えないところがあるんです。

 どうしても詳しく知りたい方は、ぜひ実際に教会に行ってみて、見たり聴いたり感じたりしてみてください。