コロナ後も生き残るリーダー
コロナ後も生き残るリーダーの条件とは? Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、厳しい経営状況を乗り切ったり、新しい生活様式を踏まえた上でのビジネスモデルを構築したりするなど、経営幹部層にはより高い問題解決力、リーダーシップが求められている。こうした中で、転職市場で求められる経営幹部候補のエグゼクティブ人材像はどう変わっているのか、経営者JPの井上和幸社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

今も経営者・幹部層の採用は活況
求められる人材像「より厳しく」

――コロナの感染拡大を受けて、企業の求人意欲はどう変化しているか。

井上和幸
井上和幸
経営者JP 代表取締役社長・CEO 1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)を経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)など。

 世の中全般で言えば、新卒や若手社員、派遣スタッフ領域の求人は確かに厳しい。しかし、我々のような経営幹部層の転職領域では、外食やイベント関連の業界を除き、ビフォーコロナと現在で採用の熱量は変わっていない。

 オペレーション業務は今の体制で頑張るか人材を絞る動きがある一方で、幹部層に求められているのは人材の数ではない。幹部層の採用は、ある事業を強化する、管理部門体制を整えるなど、会社の最重要課題に直結する。例えば、ある大手企業では会社の次のステージを支えられるCFOの採用を積極的に行うなど、特に管理部門へのニーズは高まっている。

 ただし、コロナをきっかけに、採用する企業側の目がより厳しくなっているのは事実だ。早く力のある幹部に来てほしいが、妥協できない。これまでなら折り合っていたような人材でも決まらず、この人なら絶対やってくれると確証が持てる人に絞られている部分がある。

 厳しくなったポイントは、2つある。1つ目は、具体的な業務遂行能力について。もう1つは抽象的だが、その会社にかける本気度合い、ミッションへの共感といった意識についてだ。前者はスキルセットやバックグランドの話で、後者は企業風土やカルチャーマッチと言い換えてもいい。その両方が企業の求める高いレベルまで満たせていれば、すぐに来てほしいという話になる。

 その一方で、これまでなら自社への理解が浅くとも、おいおい知ってくれればいいということで採用されていた人材も、今では採用されなくなっている。当社では最終選考までいけば、ほとんどご縁があることが多いが、最近では「(候補者が)本当にうちの会社に懸けてくれるか確認しきれなかった」という理由で、最終選考NGになったケースもあった。

 このようにコロナ禍で企業側の意識が変わっているのに対して、残念ながら候補者の方は意識が変わっている印象がしない。これまでと同じような意識の人が多いように思う。