コロナ後に出現するであろう
「スーパー・グローバリゼーション」

 新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動や接触の自粛を求められたことで、社会にさまざまな変化を起きている。例えば、リモートワークと呼ばれる勤務形態、Web会議、教育現場の遠隔授業などの普及である。

「コロナ後の社会」には、グローバリゼーションを超えた「スーバー・グローバリゼーション」が出現するだろう。グローバリゼーションとは、移動・輸送手段や通信技術の発達によって、ヒト、モノ、カネが国家や地域などの境界を越えて大規模に移動することによる、地球規模での社会、経済の変化である。この文脈では、国家を超えて活動する多国籍企業体や国際機関、欧州連合(EU)のような超国家共同体など巨大組織が勢力を拡大してきた。

 それに対して「スーバー・グローバリゼーション」は、ITのさらなる進化により、移動すら必要ない。在宅でパソコンやスマートフォンを操作するだけで、世界中のモノを購入でき、ビジネスが行われ、行政サービスも受けられる。のみならず、政治的な国際交渉までが行われる。個人が国家・企業へのハッキング、サイバー攻撃が可能という世界だ。個人が国家や巨大組織を凌駕することもある、従来の常識を超えた世界の出現である。

 新型コロナの感染拡大は、スーバー・グローバリゼーション出現のリスクに対するセーフティーネットという観点から、これからの国家・地域のあり方を考えさせてくれる。

米国の地政学的優位性が
揺らぐ事態が多発

 新型コロナは、「覇権国家」である米国の基盤を根底から動揺させている。この連載では、米国の地政学的な圧倒的優位性を指摘してきた。ハルフォード・マッキンダー、ニコラス・スパイクマンを祖とする英米系地政学では、米国は「新世界(New World)」であるとされてきた。