なぜYouTuberに? 収益性とゼロからモノを作る創造性

「収益性が決め手」と語るのはクロマッキーさん。過去にブログで50本ほど記事を書いたこともあったが結果が出ず、安定して広告収益が見込めるYouTubeに目を向けた。

 YouTuberになりたての頃は、ゲーム実況をしたり、頭に被り物を装着して英語の勉強法を解説したりと迷走していたが、試行錯誤した結果、本を紹介する現在の動画スタイルに落ち着いた。 

 一方、アバタローさんがYouTubeの世界に惹かれたのは、創造性が発揮できる場だからだという。以前挑戦したツイッターやインスタグラムは自分自身がすぐに飽きてしまったが、自分の手でゼロからモノを作るYouTuberには魅力を感じ、動画制作に腰を据えた。

 再生数を意識して流行りの本を紹介するのではなく、古典などに書かれていることと現今の情勢がリンクしている点を抽出し、視聴者向けにアウトプットする。それに対してコメントで「面白い」という反応が返ってきたときの喜びはひとしおだという。

 両人とも忙しい本業をしっかりと務めつつ副業で動画制作までこなしているが、どのように時間を使い、YouTuberとしてどれほどの収入を得ているのか。「自分もYouTuberになりたい」という人たちが一番気になるところだが…。

毎日コツコツと作業 本業を超える月収も

 クロマッキーさんは、夜は仕事の疲れで頭が回らない可能性があるため、毎日朝5時に起きて作業はなるべく午前に集中させ、週2本のペースで定期投稿している。

 今年5月に収益化(※)したが、広告収益やアフィリエイトなどで同月に約20万円、翌6月は再生回数が多かったため一気に約100万円の収益が上がり、本業の月収を超えた。

 アバタローさんの場合、平日に一日1、2時間、土日にそれぞれ5時間ほど割いて原稿作成や動画制作を行い、月に2、3本という緩やかなペースで動画をアップする。

 昨年末頃に収益化し、月に30~60万円ほどの収益をYouTuberとして得ている。

 一般的なサラリーマンの感覚からすると羨ましいほどの副収入だが、実はYouTuberとして活動を続けていると、金銭面以外のメリットも非常に大きいという。

※YouTubeの収益化…有効な公開動画の総再生時間が直近の12か月間で4000時間以上であること、チャンネル登録者数が1000人以上であることなどが最低要件。

出世という強迫観念からの解放 精神的豊かさも得られる

 あくまで本業のセーフティーネットとして副業に着手したクロマッキーさんは、副業の収入が豊かになると、本職で「是が非でも出世しなければ」という強迫観念から解放され、気が楽になった。まだ若手だということもあって強張ってしまっていた肩の力が抜け、上司に忖度せずに自分の意見を言えるようになり、それが生産的なコミュニケーションを生んでいる。

 対して、アバタローさんは経済的な豊かさよりも、精神的な豊かさをより大きく得ているという。

 副業を決意した出発点の「自分だけの世界を確立したい」という思い。それを現時点で実現できていることに幸せを感じている。お金よりも、人生全体の豊かさが得られるのが副業だという考えだ。

 一方で、副業としてのYouTuberのデメリットを1つ挙げるとすれば「注意散漫になる」ことだとも述べた。

 視聴回数やチャンネル登録者数が一気に10倍に跳ね上がった当時は、心が急にフルスロットルになって精神が高揚し、本業へのコミットメントが低下してしまった。ただ、今はそのような心の「ブレ」がなくなって落ち着いた。

 YouTuberとして金銭面のみならず精神面でも大きなメリットを得ている2人だが、今後の展望はどう考えているのか?