米国の政治史の中でも最も奇妙な年の1つとなった2020年は、さらに奇妙な状況になりつつある。その一例は、4年に一度の全国党大会をめぐり起きていることだ。党大会は、議会で大統領候補が選出されていた古いシステムが現在のように変わった1831年から、米国の政治に不可欠な要素となってきた興奮を呼ぶ党大会の多くの要素は、予備選の導入、党の影響力の低下、テレビの登場を受けて、ずっと以前に消え去った。民主党の大統領候補指名のため103回の投票が行われた1924年の党大会のような出来事はもう起き得ない。1912年の共和党の党大会で、(指名獲得に失敗した)セオドア・ルーズベルト氏が大会への不満から進歩派の共和党員らを率いて退場したような出来事も今後はないだろう。1956年の民主党大会が最後の例となった副大統領候補指名をめぐる対決(代議員投票で決定)も、もう起きないだろう。
【寄稿】奇妙な大統領選の年=ローブ氏
興奮を呼ぶ党大会の多くの要素は消え去り、有権者は副大統領をこれまでより重視する
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