マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、中国の人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業買収をうまくまとめたとしても、新たな課題に直面する可能性がある。それは、ティックトックの成功の方程式を損なうことなく、買収直後に迅速に事業を再構築する方法を見いだすことだ。ナデラ氏は通常、マイクロソフトが実行した大型買収において過度の経営介入を控える「ライトタッチ(軽度の)」手法を取ってきた。ソフトウエア最大手のマイクロソフトは、2016年に260億ドル(約2兆7800億円)の巨費を投じてビジネス向け交流サイト運営のリンクトインを買収した後、事業の統合に何年もの期間をかけた。ビジネス向けに的を絞った新興企業のリンクトインを成功に導いた企業文化を、損ないたくないという考え方がその一因だった。