これからのテレワーク――新しい時代の働き方の教科書
『これからのテレワーク――新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社)、片桐あい・著、192ページ

 今まで他者への依存が強く誰かの仕事に“寄生”しているような人は結局、1人で仕事を進めることができずに不安を抱えている人もいます。そんな人のコミュニケーションはウエットで、「会おう」「時間をつくって」と言ってくることもあります。

 相手の不安に付き合っている暇はないとはいうものの、先の関係性を考えると無下には断ることもできないでしょう。そのような場合には、会うことや時間をつくることの目的を明確にさせることが大切です。

「時間はつくります。でも、目的を明確にしていただいた方が、私も準備ができるので教えてください」「会うことも可能ですが、まずはオンラインで概要を伺ってからにしませんか?」などと、相手の目的や意図を確認してから実際に会うということでもよいと思います。

 ウイズコロナの時代には、リアルで会うことは相当価値があることです。

 なぜならリスクを冒してまで会うわけですから、それなりの理由やその人に会いたいという気持ちが湧いてこなければ、わざわざ会おうとは思いません。そして「オンラインでもいいんじゃないですか?」と言われたら、次の3つの問いに対する答えを考えてみてほしいです。

(1)今、この状況でリアルにその人に会う必要があるのだろうか?

(2)もし、その人に会うならリアルじゃないとダメな理由はなんだろう?

(3)自分がリアルでその人に会うとしたら、その相手に渡せる自分の価値は何だろう?

 その明確な答えが見つかれば、お互い会うことに価値を見出せることでしょう。でも、これらの問いに答えられないのであれば、必ずしもリアルで会う必要はないのだと思われます。気軽に会えない時代だからこそ、たとえ職場の人であっても顔を合わせることのリスクを考えれば、簡単に「会おう」「会社に来て」とは言えないはずです。

 自分も相手も会社も社会も守るためには、その仕事の目的に立ち返り、目的を達成するための手段としてはリアルで会うことがよいのか、リモートでもよいのかを客観的に考えることが必要です。ただ何となく近くにいて阿吽(あうん)の呼吸で仕事をする時代は終わりを告げたのです。

 とにかく、伝えたいことは言語化、可視化をして、誰もがフラットで適切な判断ができない限りは、個人の判断が組織としての間違った選択をすることになります。強く賢くこの時代をリードする人になるためも、適切な働き方としてのテレワークを推進し、新型コロナウイルスの終息を願いましょう。