川越さんはかつて飲食店で働いており、日々大量の食品ロス発生を目の当たりにしていた。そこでの違和感から、海外のフードシェアサービスの存在を知ったとき、「日本でも同じようなサービスができないか」と考えたのが始まりだという。

飲食店の「売れ残り」をレスキュー!全国でフードロス解決アプリが話題和食料理店での料理人修行、レストラン店舗経営を経て、2015年12月に株式会社コークッキングを創業した川越一磨さん。「TABETE」の取り組みが注目され、2020年、共同創設者で取締役CPOの伊作太一さんとともに「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出された

「当時、月1回都内のファーマーズマーケットで開催される規格外野菜を活用したフードロス啓蒙イベントに、ボランティアで携わっていたこともあります。しかし、イベントに集まる人数には限りがあり、なかなか社会は変わらないというもどかしさがありました。ビジネスとして食品ロス削減サービスに取り組むことで、社会全体に対して意識や行動の変容を促したいと考えました」(川越さん、以下同)

自治体とも連携し
加盟店は全国1300店に拡大

 TABETEの仕組みはこうだ。お店は、その日に仕込んだ食事や総菜に売れ残りが発生すると見込むと、通常よりお得な価格を250~680円の間で設定し、写真とともにTABETEに掲載する。例えば、通常1100円のメニューをテイクアウト仕様にして600円で販売したり、1個200円の和菓子を5個セットにして680円で販売したり…といった具合だ。その情報を見たユーザーが「レスキューに向かう」ボタンをクリックし、Webで支払いを済ませ、当日の期限内にお店へ引き取りに行く。

 加盟店は売れた分だけ1品あたり150円の手数料を運営会社に支払うが、固定費や掲載費はかからない。そんな手軽さから、加盟店数は増加の一途をたどり、2020年7月末時点で約1300店舗。福岡県や大阪市、藤沢市(神奈川県)、浜松市(静岡県)など多くの自治体と続々と連携協定を締結し、加盟店のある地域も全国に広がった。

「単なる『安売り』ではなく、あくまで『レスキュー』という位置づけ。お店のブランドを損ねることなく、むしろ『環境によい取り組みをしているお店』というイメージアップにつながると思います」