◆ケース3 Cさんの場合
・転職経験があるため、退職金は500万円と少ない。子どもの教育費がかさんだので貯蓄は300万円程度。さらに再雇用後の収入がダウンすることに危機感を覚え、夫婦で支出見直しプランを考える。
・再雇用後は、給与収入に加え、若いころに加入した個人年金を60歳から5年間で受け取り、毎年の収入アップを図る。あと年50万円収入があると、「60代前半は収支トントン」を実現できる見込み。
・夫は、妻に「あと月4万円分だけ、パートを増やしてくれないか」と提案するが、「無理!」と断られる。
・世帯収入がアップできないと、毎年50万円の取り崩しとなり、65歳時点での貯蓄額(=老後資金)は550万円と予想される。

 AさんとBさんは、60歳時点での貯蓄額は多い。にもかかわらず、支出の見直しを行わずに何となくお金を使う生活を続けると、老後資金はどんどん目減りし、老後破綻の可能性が出てくる。

 実際、70代半ばで貯蓄が底をつき、40代の息子夫婦に連れられて4人で私の元に家計改善の相談に来る人もチラホラ出てきている。他人事と思わない方がいいだろう。

 Cさんは他の2人と違って60歳時点での貯蓄額が少ない分、危機感を持って再雇用後の支出見直しに取り組んだ。併せて世帯収入アップを試み、妻に協力を求めたが、あえなく撃沈。

 今の50代以上は専業主婦世帯が多く、妻が働いているとしても扶養の範囲内のパート勤務であることがほとんどだ。妻は「生活費は夫が稼ぐもの。パート収入は私の小遣い」と考えるので、60歳を目前に夫が「あと年50万~60万円の収入を得てほしい」とお願いしても、却下されることが多い。それまでのコミュニケーションが密でないと、なおさらだ。

 3つのケースは、今の会社員の「定年後あるある」。つまり、本当によくあるケースなのだ。