口下手な人が“ペラペラ人間”より信頼される決定的理由
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
Photo: Adobe Stock
「コミュ障」は一つの才能
今回のテーマは「コミュ障」についてお話したいと思います。「コミュ障」というと、あまり良くないことだと捉えて落ち込んでしまう方もいるかもしれません。しかし、私はこれを「一つの才能」だと定義したいと考えています。
私が考える「才能」とは、人よりも極端に何かの性質を持っていることです。それをプラスに考えるかマイナスに考えるかの違いだけであって、プラスに捉えればそれはもう立派な才能と言えるはずです。
そこで、人との交流が苦手、会話のキャッチボールが苦手、言葉に詰まってしまう、あるいは人見知りといった性質を、どのように才能として捉えていくかについてお話しします。
無理やりなポジティブ思考ではありません
「コミュ障は才能だ」と言うと、「無理やりポジティブに言い換えているだけではないか」「単なる言葉遊びではないか」と感じる方もいるかもしれません。しかし、私が伝えたいのはそういう精神論ではありません。
人間の特性にはいろいろありますが、自分の環境をその特性に適合させることができれば、それは問題ではなくなり、むしろ才能になり得るという事実です。
対人恐怖的な傾向があったり、発達特性によるコミュニケーションの難しさがあったり、逆に喋りすぎてしまったりと、タイプは様々でしょう。しかし、それが「悪いこと」になってしまうのは、「明るく気配りができて、誰からも嫌われない人」という理想像と比較してしまうからではないでしょうか。
「完璧なコミュニケーション」なんて必要ない
気配りができて誰からも好かれる人というのは、確かに素晴らしいですが、実際にはなかなかいません。そうではないからといって、あなたが悪いわけではないのです。
むしろ、コミュニケーションが少し苦手だけれど、憧れを持って頑張っている人の姿を想像してみてください。その姿は、とても純粋で魅力的に映りませんか? 本人は「自分には魅力がない」と思っているかもしれませんが、周りから見れば決して嫌な印象ばかりではありません。
もちろん、誤解されて「なんであいつは…」と思われることもあるでしょう。しかし、誤解というのは無理に解かなくていいと私は思っています。
あなたを理解してくれる人は必ずいます
世の中には、相手のことをきちんと配慮してくれる人が必ずいます。初対面でうまく話せなくても、「この人はシャイなんだな」と理解してくれる人がいます。むしろ、流暢に立ち回る人よりも、少し不器用な人の方が好きだという人もいるのです。
ですから、あなたが思っているほど、あなたは嫌われていませんし、拒絶もされていません。「そんなあなただからこそ良い」と言ってくれる人がどこかに必ずいます。大切なのは、そうやってつながったご縁を大事にすることです。
もちろん、会話がうまくなりたいと思って努力することは素晴らしいことです。しかし、苦手なものを前にして「自分はダメだ」と自己否定し続ける必要は全くありません。
「コミュ障」の裏側にある才能
視点を変えて、もっとプラスの面を見てみましょう。
●会話は苦手でも、一人で深く思考したり、研究・開発したりすることには向いているかもしれない。
これらは素晴らしい才能です。「コミュ障」という性質はあなたの一部に過ぎず、その裏側には何かの才能が隠れている可能性があります。
人間はトータルとしての存在です。「欠点がないから好かれる」わけではありません。コミュニケーション能力が高くないからといって嫌われるわけでもないのです。
大切なのは「誠実さ」です
実は私自身も、いわゆる「コミュ障」の傾向があります。それでもこうして講演をしたり、YouTubeで発信したり、本を書いたりしています。
私は喋ることや発信することは好きですが、一般的なコミュニケーション能力が高いわけではありません。それでも、自分の人生においてそれがデメリットにはなっていません。自分の特性を活かせる場所で活動しているからです。
ですから、「コミュ障だからダメだ」と自己嫌悪に陥ったり、自己肯定感を下げたりしないでください。もじもじしていてシャイな人が好きだという人もいますし、私も共感できるので好きです。
結局のところ、人生や周りの人に対して「誠実であろうとしているか」の方が、コミュニケーションスキルの有無よりもよほど大切ではないでしょうか。不器用でも、誠実なあなたのままで大丈夫です。ぜひ、その特性を才能として捉え直してみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






