秋元司容疑者の地元事務所秋元司容疑者の地元事務所から、押収物が入ったとみられる段ボール箱を運び出す東京地検の係官(撮影:8月20日夜、東京都江東区) Photo:JIJI

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件に絡み、東京地検特捜部は20日、贈賄罪で起訴された中国企業側に公判で虚偽の証言をするよう依頼し、報酬の提供を持ち掛けたとして、組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の疑いで、衆院議員秋元司容疑者(48)を再逮捕した。現時点では汚職事件は起訴、証拠隠滅事件は容疑の段階でしかなく、推定無罪の原則があるので事実と決まったわけではないのだが、保釈後、全国紙社会部記者らの間では「まさか、証拠隠滅とかしないよな」などとささやかれていた。26日にはIR汚職事件の贈賄側の初公判が開かれる予定だ。被告が何を語るのか注目される。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

押収した札束から指紋

 秋元容疑者の逮捕容疑は支援者だった会社役員淡路明人容疑者(54)=東京都港区=、会社役員佐藤文彦容疑者(50)=東京都中央区=と共謀。

 那覇市のホテルで中国企業「500ドットコム」の元顧問紺野昌彦被告(48)=贈賄罪で起訴=に公判で虚偽の証言をするよう依頼し、報酬として6月27日に1000万円、7月22日に2000万円の供与を申し込んだ疑い。

 この事件をめぐっては特捜部が4日、淡路、佐藤両容疑者のほか、会社役員宮武和寛容疑者(49)=那覇市=を逮捕していた。